サエ | 日本酒がなんとなく濁っている場合に表現する言葉。 |
細菌酸度 | 製麹中に乳酸菌等の酸を出す細菌が多数繁殖した時に細菌酸度が高くなり、場合によっては腐造につながることもある。 |
殺菌用薬品 | 火落ちなどの防止のために庫内や容器、器具の洗浄、殺菌のために用いる薬品。 |
細孔板 | ケイソウ土とプラスチックパウダーを混合し、焼結して濾過板としたもの等。 |
採点法 | 利き酒時の採点方法の一つで、1〜3点、1〜10点など点数を付ける方法。普通点数の低い方を良い評価とする。 |
酒袋 | 木綿製またはナイロン、テトロン、ビニロンなどの化学繊維製の袋で、醪を入れて搾る。普通は9L容が多い。搾り袋ともいう。 |
酢酸 | 食酢の主成分。次の反応式によって、酢酸菌が生産する。 CH3CH2 + O2 → CH3COOH + H2O (エタノール) (酸素) (酢酸) (水) |
酢酸菌 | エチルアルコールを酸化して、酢酸を生成する細菌を酢酸菌と総称する。 |
酒粕 | 酒醪(もろみ)をこした(上槽した)ときに分離される固形分のことで、清酒醸造の副産物である。清酒粕または単に粕ともいう。 |
酒の五味 | 酒の味を構成する要素で、甘味、酸味、辛味、苦味、渋味の5つの味をいう。五味の調和がよくとれている酒が良いとされている。なお、甘味、酸味、塩辛味、苦味、旨味は人間の味覚に感じる最も基本的な味で五原味または五基本味といい、辛味、渋味は口中の粘膜を刺激する温覚、痛感が加わった味といわれている。 |
サッカロミセス属 | 酵母の分類上の属の一つ。清酒酵母、焼酎酵母などの酒造用酵母が属する。 |
雑味 | 清酒の味の内、きたない味のことをいう。苦渋成分が主体と考えられている。 |
酸性ウレアーゼ | カルバミン酸エチルの低減のために用いる酵素。 |
酸性カルボキシペプチダーゼ | タンパク質やペプチドに作用し、アミノ酸を生産する酵素。 |
酸性プロテアーゼ | タンパク質を分解して、2〜20個ほどのアミノ酸が結合したペプチドを生成する酵素。ただし、アミノ酸は生成しない。 |
三増酒 | 三倍増醸酒の略称。すなわち増醸酒のこと。 |
3点識別法 | 利き酒時の採点方法の一つで2つの酒を比べてどちらが良いか調べる場合などに用いる |
3段仕込法 | 1仕込を3段に分けて仕込む方法。日本酒醪では、添、仲、留の3段にそれぞれ1仕込みの総米の1/6,2/6,3/6を基本として順に仕込む。 |
産地名の表示 | 製法品質表示基準によると、その清酒が造られ、しかも容器に詰められた地名をいい、よそで造られた清酒を混和したものや、よそにもっていって容器に詰めたものには産地名の表示はできない。産地名には、県、市、町など行政区画上の名称のほか、旧国名や地名で一般によく知られている名称も含まれる。 |
3-DG | 3-デオキシグルコソンの略称。アミノ・カルボニル反応の中間生成物で、清酒の熟成に関係が深い。 |
酸度 | 上槽前の醪の酸量を100とすると酒母から17、醪工程から73が生成される。醪で生成される酸はコハク酸とリンゴ酸が大部分である。酸度は次式より求められる。 (酸度)=(滴定ml数)*(N/10水酸化ナトリウム溶液のファクター) |
酸敗 | 高泡時期になっても泡が粘り、思うように泡が上がってこない、香りには酸臭があり一見して異常であることがわかる。原因としては醪中で有害乳酸菌が異常に繁殖し、酵母が正常な発酵を行えないために起こる。 |
サンプラント | 殺菌用薬品の一種で、水路などに置き、除菌する。 |
酸味料 | 清酒製造の原料として用いられる乳酸、コハク酸、クエン酸及びリンゴ酸のこと。これらの有機酸の表示方法は個別の名称に代え酸味料としてもよいことになっている。 |
地(じ) | この期間は発酵が次第に終わりに近づき温度も下がり気味となる。地の状貌は坊主、チリメン泡または渋皮になる場合と厚蓋、飯蓋になる場合にわけられる。 |
次亜塩素酸ナトリウム | 殺菌用薬品の一種で、器具により適当な使用方法をとる。 |
COD | 化学的酸素要求量の略称で、水の有機物による汚染の程度を表す指標の一つである。 |
しおり法 | 濾過した酒に更に蒸米、麹米、水を仕込んで発酵させたアルコール濃度を高める方法。 |
紫外部吸収 | 清酒に波長280nmの光をあて、その吸光度を測定して得られる値。清酒中の芳香族アミノ酸(チロシン・トリプトファン・フェニルアラニン)量の指標になり、清酒のアミノ酸量、着色度、緩衝能などと関係が深い。市販酒では2.0〜6.5程度でかなり幅がある。 |
JIS規格 | 工業標準化法に基づく我が国の工業規格。鉱工業品の品質の改善、生産の合理化、取引の単純公正化、消費者の合理化等を図り、公共の福祉増進に寄与する目的のために制定。 |
湿気麹 | 握ったときの手触りが非常に軟らかく湿気が感じられる麹をいう。水分の多いバカ破精型の麹で酵素力は弱い。蒸米が軟らかすぎるか、製麹中の蒸米の水分発散が少なすぎる場合などにできやすい。多湿麹ともいう。 |
仕込 | 水麹に蒸米を投入混和し、予定温度にする操作をいう。 |
仕込水 | 仕込みに用いる水で硬水で仕込むと辛口で味が荒くなりやすく、軟水で仕込むと甘口でまろやかな味となりやすいといわれている。 |
仕込総米 | 麹、酒母、添、仲、留の米の総量で仕込みのタンクの大きさは仕込み総米の3倍量が必要である。 |
仕込配合 | 醪1仕込に要する原料の配合を示したもの。使用する白米、水、アルコールの量を、酒母、添、仲、留、四段などの区分に分け、さらに総米(麹米と掛米の計)、麹米、蒸米(掛米)、汲水に分けて示す。 |
脂質 | 加水分解すると脂肪酸を遊離する生体物質の総称。 |
自主流通米 | 計画流通米の区分の一つで自主流通米と政府米がある。 |
失活 | 熱などにより酵素タンパク質が変性して、酵素が本来の触媒機能を失うこと。 |
湿度 | 空気の湿度は、絶対湿度または相対湿度で表す。 |
脂肪 | 玄米の表面に多く、オレイン酸などの不飽和脂肪酸など酒には不必要な成分や香りの香気エステルなどの元でもある。 |
脂肪酸 | 脂肪が分解されたものでオレイン酸などがある。 |
仕舞仕事 | 仲仕事後6〜7時間後に麹の品温を調節するために行う操作。 |
蛇管式 | 火入れに用いる器具で最も単純な器具。 |
重量パーセント | ある物質100g中に含まれている特定の物質のg数をいう。 |
酒化率 | 使用する白米に対する製成清酒の割合をいう。酒化率を示すには、肉垂れ歩合、白米1,000kg当たり純アルコール数量、アルコール収得歩合、原エキス収得率などが用いられる。 |
熟成 | 貯蔵により十分香味が整うこと。 |
樹脂ライニングタンク | タンクの材質の一つ。 |
酒精度浮ひょう | アルコール分を測定するための浮ひょう。比重の差を利用してアルコール分の度数が目盛ってある。 |
酒税法 | 酒類についての法律。 |
酒税法基本通達 | 酒税法、同施行令、同施行規則を円滑に運営するため、法令の解釈、適用、一般的方針を示すもの。 |
酒造年度(BY) | その年の7月より翌年の6月までをいう。 |
酒造好適米 | 食糧庁では、米の品種のうち山田錦、雄町、たかね錦、五百万石等の酒造に適する26品種及びこれらの産地(29府県)を指定して、醸造用玄米としている。酒造業界ではこの醸造用玄米を酒造好適米と呼び、これ以外の米を一般米または地米といい区別している |
酒母 | 醪の発酵の基になる酵母を培養したもので、「もと」ともいう。酒税法の定義によると、酵母で含糖物質を発酵させることができるもの及び酵母を培養したもので含糖物質を発酵させることができるもの、並びにこれらに麹を混和したものをいい、製薬、製パン用、醤油製造用などの用途に供するものは除かれる。 清酒醸造の場合には、蒸米、米麹及び水の混合物に多量の清酒酵母を培養したものをいい、乳酸を十分量に含み醪の発酵をつかさどる根源となる。生もと系酒母と速醸系酒母に大別される。 |
酒母省略仕込 | 通常の酒母の代わりに、培養酵母(液状、泥状、固形、乾燥)を用いる仕込方法をいう。酵母仕込ともいう。 |
酒母歩合 | 次式によって求める。 酒母歩合=酒母用総米(kg)/留までの総米(kg)*100 |
酒母米 | 溶けをよくする必要から、掛米、麹米とも被糖化性のよい軟質米で、精米歩合は70%以下が好ましい。 |
酒母四段 | 製成酒に濃醇な味をつけるために、酒母を四段として醪の末期に添加する方法をいう。現在はあまり行われていない。 |
種皮 | 玄米の組織の果種皮、胚芽及び胚乳の中の果種皮の一部。 |
酒類 | 酒税法では、「アルコール分1度以上の飲料」を酒類と定義している。 |
酒類業組合法 | 「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」の略称で、酒税の保全と酒類業界の安定のため酒税の確保と取引の安定をはかることを目的とする法律。清酒の製法品質表示基準はこの法律に基づいて定められている。 |
重油 | 石油の一種。原油からガソリン、灯油、軽油等を蒸留した後の留分。比重、粘度、硫黄分によってA重油、B重油、C重油に区別。主としてディゼル機関、ボイラー燃料として使用。 |
純アルコール取得量 | 原料白米から生産された純アルコールが白米1,000kg当たり何Lになるかを表し、白米からの酒化率を表す方法として最も利用されている。 {(清酒純アルコール)-(アルコール、調アル中の純アルコール)-(原料清酒の純アルコール)}/白米*1,000 |
純アルコール垂歩合 | 醪中の純アルコールが、上槽後にどれほど清酒中の純アルコールとして得られたかを示す歩合であって、次式によって求める。 純アルコール垂れ歩合=(清酒純アルコールL数-原料清酒純アルコールL数)/(上槽前醪純アルコールL数-原料清酒純アルコールL数)*100 |
純粋培養 | 目的とする微生物(単一の菌株)だけを増殖させること。 |
純米酒 | 精米歩合70%以下の白米、米麹及び水を原料として製造した清酒で、香味及び色沢が良好なもの。 |
蒸きょう | 米をむすこと。 |
硝酸 | 水に含まれる硝酸は通常塩類の形で存在。水中の硝酸は通常含窒素有機物に由来することが多く、硝酸の多い水は水源が汚染されている疑いがある。 |
硝酸カリウム | KNO3で示される化合物。生もと系酒母では、早湧きを防止する目的で、硝酸カリウムを酒母の仕込水に加工することがある。 |
硝酸還元菌 | 硝酸塩を還元して亜硝酸塩を生成する機能をもつ細菌。生もと系酒母では、仕込水に硝酸カリウムを加工しておくと、硝酸還元菌の作用で亜硝酸を生成する。この亜硝酸は雑菌を殺し、酵母の増殖を阻止するので、酒母の早湧きを防止する。 |
紹興酒 | 中国浙江省の抗州に近い嘉興、紹興などで糯米を原料として造った酒。エキス分が多く、アルコール分は13度程度の日本酒に近い味の酒類。 |
醸造用アルコール | 日本酒に入れることのできるアルコール。 |
醸造酒 | 清酒、ビール、ワインのように発酵が終わった醪をそのまま、または濾過によって清澄にした酒類。 |
醸造用活性炭 | 清酒の脱色、脱臭及び味の調製のために製造された活性炭。他の工業用活性炭に比べてメラノイジンの吸着力等が優れ、鉄等の清酒の品質に有害な成分の溶出が少ないものが要求される。 |
醸造用資材規格協議会 | 醸造用資材の適正な品質規格の制定、定期的成分検査の実施のため、昭和50年10月21日醸造用資材メーカーが集って設立。現在、乳酸、活性炭、清澄剤、酵素剤、濾過助剤、糖類、酒質保全剤等を含む7部会がある。 |
消防法 | 火災を予防、警戒、鎮圧し、国民の生命身体、財産を火災から保護することを目的とした法律。この法律の中で危険物を指定し、これらの貯蔵数量、貯蔵方法、取扱方法を規制している。 |
馴養 | 生活環境として本来は適さない培地でも徐々に環境を変化させることによって次第に馴れて増殖できるようになる。 |
蒸気圧 | 蒸気の示す圧力のこと。ボイラー等の圧はkg/c㎡で示す。 |
蒸気量 | 蒸きょう中白米中に凝縮される蒸気量は理論的には白米重量の約1/10。実操作では理論値の3倍は必要。釜湯の蒸発量は蒸発面積1㎡当たり毎分4Lは最低必要。 |
上槽 | 清酒醪を圧搾濾過して清酒と粕に分離する操作。圧搾ともいう。 |
蒸留 | 溶液を加熱し、発生蒸気を冷却し液体とする操作。 |
蒸留酒 | 酒税法の酒類の分類の一つでその他に醸造酒、混成酒がある。蒸留酒とは発酵により得られたアルコール含有物を蒸留して得る酒類である。 |
触媒 | 酵素などのように、自分自身は変化しないで、他の物質の変化や化学反応を促進させるもの。 |
食品衛生法 | 飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的に設けられた法律。この法律の中で食品、添加物、器具、容器包装等について規定している。清酒も食品であり、添加物はすべてこの法律の規制を受ける。 |
食品添加物 | 食品衛生法によれば、食品の製造の過程で、または食品の加工や保存の目的で、食品に添加したり混和するなどの方法によって使用するものをいう。 |
食糧管理法 | 主食である米の必要量を確保することや、米の需給調整など米の管理について規定した法律。この法律に代わって平成7年11月1日から新食糧法が施行された。 |
除酸 | 酸の多い清酒を中和剤を加えて酸を減らす操作。 |
死米 | 米粒のうち、デンプンの蓄積が特に悪く外観が粉状質で光沢がないもの。成因は米粒が成熟途中でデンプン蓄積が中止され、再び回復しないもの及び成熟が遅れたまま収穫される場合に生ずる。死米には青死米と白死米がある。 |
死粒 | 死米ともいう。 |
シルキー | 濾過助剤の一種。 |
白ボケ | タンパク混濁のことで、糖化酵素が麹中に多量生産された場合などに起こる。 |
白糠四段 | 吟醸用白米などの精米時に発生する白糠を蒸煮して醪に投入する四段仕込法をいう。 |
新MG染色法 | 新MG染色液を使って、精米の良否・功拙を判定する方法。 |
真核生物 | DNAが核膜に包まれている高等微生物をいう。カビと酵母は真核生物である。 |
真空度 | ビン詰製品のビン内圧力(減圧の程度)を真空度計で測定して得られた値。ビン詰製品の王冠の品質、打栓の適否などを判定する指標になる。1.8Lビンでは40〜60であれば良好である。 |
新酒 | 古酒に対応する言葉で製造後夏を経過しない清酒。また、上槽後、火入れの済まない生酒の意にも用いる。最近、四季醸造の普及により、新酒、古酒の区別は明確でない。 |
新酒香 | 新酒には麹の香り及び発酵により生ずる芳香がある。これを新酒香または麹バナという。新酒香は燗をすると一般に不快に感ずる。なお、新酒香は火入れを行い貯蔵すれば、やがて消失して熟成香に変わる。 |
新酒バナ | 新酒香、麹バナともいう。 |
新食糧法 | 従来の食糧法(食糧管理法)に代わって平成7年11月1日から施行された「主要食糧の需給及び安定に関する法律」のこと。 |
真精米歩合 | 通常の精米歩合は、糠部に移行した砕米を白米重量に加算していないので、真実の精米歩合より低い値になるために見掛け精米歩合といわれている。この欠点を除くために考えられた歩合で、次式より求める。 真精米歩合(%)=(白米整粒1,000粒の重量)/(玄米整粒1,000粒の重量)*100 |
浸漬 | 白米に適度の水を吸収させて、適度の吸水率を持ち、弾力性のあるさばけの良い蒸米に仕上げることを目的とする。 |
浸漬米吸水率 | 次式によって求める。 吸水率(%)=(浸漬後の重量kg-白米の重量kg)/(白米の重量kg)*100 |
浸漬時間 | 吟醸米の数分間といった短いものから、一昼夜という長いものまであって一様ではないが吸水率は28〜30%が標準である。 |
浸漬水 | 浸漬に使用する水のこと。 |
浸漬水温 | 10〜13℃が標準。 |
新陳代謝 | 生物が存在するために必要な物質を体内に取り入れ、用済みとなった古い物質を体外に出す現象。 |
心白 | 米粒の中心部 |
水酸化第一鉄 | 化学式ではFe(OH)2。極めて酸化されやすく赤褐色の水酸化第二鉄に変わる。水の気曝はこの変化を利用したもの。第一鉄が第二鉄に変わることによって溶解度は1/40に減少し、鉄が沈殿物として除かれる。 |
水酸化ナトリウム 溶液 | 酸度やアミノ酸度の分析時に使用する。 |
水質汚濁防止法 | 工場及び事業場から排出される水の排出を規制して、公共用水域の水質の汚濁を防止するための法律。 |
水素イオン濃度 | 溶液の酸性・アルカリ性の程度を示す数値で、pHと略記する。pH7が中性で、数値が7より小さければ酸性、大きければアルカリ性である。市販酒のpHは、4.2〜4.7の範囲にある |
水道法 | 公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与するため、清浄で豊富低廉な水を供給することを目的とした法律。水道水の水質基準を規定している。 |
水分活性 | 食品や培地が周囲の空気と平衡状態にある時の相対湿度(%)を100で割った値に相当し、次式により表される。 水分活性=食品の水蒸気圧/その温度での最大蒸気圧 水分活性は1以下の値を取り、1に近いほど微生物が利用できる自由水が多いことを示す。 |
筋泡 | 留後2〜3日目(留めた日を1日と数える)に醪表面に数本の筋となった泡が見られ、酵母が増殖をし、発酵が開始されたことを意味する。 |
ステンレスタンク | タンクの材質の一つ。 |
スッポン仕込み | 労力の節減のため直接親桶に仕込むこと。 |
炭臭(すみしゅう) | たんしゅうともいう。 |
素焼 | ケイソウ土に粘土を混ぜて成形焼結した多孔質の濾剤。 |
生酸菌 | 酒母や醪中で酸を生成する細菌の総称であるが、その大部分は乳酸菌である。水、麹、酒母、醪などの生酸菌による汚染の程度を知るために、生酸菌の検出や細菌酸度を測定する方法がある。 |
生絹(せいけん) | 濾過助剤の一種で、シルキーと同様の性状である。 |
清酒歩合 | 原料白米100kgから何Lできたかを表す。アルコールや糖類の添加が多ければ多いほど清酒歩合は高くなる。清酒歩合は次式で求められる。 清酒歩合=(清酒(L)-原料清酒(L))/白米(kg)*100 |
清酒の製造方法の承認基準 | アルコール添加酒(普通醸造酒)や増醸酒を製造する場合の承認の取扱について規定したもので、アルコール使用限度数量、増醸酒用原料白米の使用割合(増醸割合)及び米以外の原料の種類と使用量などに制限が設けられている。 上記の清酒の製造に当たっては、あらかじめ所轄税務署長の承認を受けなくてはならないが、この基準に当てはまる場合に限り承認を受けることができる。 |
整蒸機 | 連続蒸米機等でボイラー蒸気を使用する場合、ボイラーからの直接蒸気は蒸気圧が高く、また生蒸気から鉄分の混入が考えられるため、一度この装置内の水中に吹き込んで再蒸発させて利用するための装置。 |
製造物責任法 | 平成7年7月1日から施行された生活者重視、消費者保護の視点から制定された法律。 |
製法品質表示基準 | (1)吟醸酒:精米歩合60%以下の白米、米麹及び水、又はこれらと醸造用アルコール(95%アルコールとして白米の10%以内)を原料として 吟味して製造した清酒で固有の香味及び色沢が良好なもの。 (2)純米酒:精米歩合70%以下の白米、米麹及び水を原料として製造した清酒で香味及び色沢が良好なもの。 (3)本醸造:精米歩合70%以下の白米、米麹、醸造アルコール(95%アルコールとして白米の10%以内)及び水を原料として製造した清酒 で、香味及び色沢が良好なもの。 また特定名称酒のうち、次の要件を満たすものについては下記の名称を容器等に表示することが認められている。 (1)純米吟醸:吟醸酒のうち、米、米麹及び水のみを原料として製造したもの(大吟醸酒に該当するものには純米大吟醸と表示できる。) (2)大吟醸酒:吟醸酒のうち、精米歩合50%以下の白米を原料としたもの。 (3)特別純米酒:特別本醸造酒:純米酒または本醸造酒のうち、精米歩合60%以下の白米を使用したもの、又は醸造用玄米(酒造好適米) の使用割合が50%を越え、その使用割合を表示したもの。 上記の他に、日本酒の製法品質表示基準では下記の名称を付すには次の要件を満たすことを条件としている。 (1)原酒:製成後、加水調製をしていない日本酒。 (2)生酒:製成後、一切加熱処理をしていない日本酒 (3)生貯蔵酒:製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、製造場から移出する際に加熱処理した日本酒。 (4)生一本:単一の製造場で製造した純米酒。 (5)樽酒:木製の樽で貯蔵し、木香のついた日本酒。 |
精米歩合 | 精米して得られた白米の量を使用した玄米の量で割り、100を乗じた数。清酒醸造には一般に70%内外の精米歩合の白米が使用される。 |
整粒 | 粒形が完全で、被害粒、死米、異種穀粒および異物を除いたもの。健全粒または完全粒という。 |
政府米 | 計画流通米の区分の一つ。 |
責槽 | 槽掛けを初めて約一昼夜すると袋の位置を変えて袋の積替えを行い圧力をかけること。 |
ゼラチン | 動物の骨や繊維組織にあるタンパク質コラーゲンを水と煮沸して得られる。清酒の滓下げ時に柿渋と併用して使う。 |
セルラーゼ | セルロース(繊維素)を加水分解する酵素。この酵素を主成分とするセルラーゼ剤は、硬質米など吸水不良の白米処理に用いられている。 |
セルロース繊維 | 濾過助剤の一種で、繊維の長短は、原料紙の諸性質に大きく影響している。セルロース繊維には、木材(パルプ)が代表的なもので、麻・竹などの原料がある。 |
前暖気 | 酒母の加温操作の2段階に分けられるうちの第一段階で、打瀬から膨れまでの加温操作 |
前緩後急型 | 醪の発酵型式の一つ。留後の酵母の増殖が遅れ、従って品温の上昇がゆるやかで、糖化が先行した場合にこの型となる。例えば、枯らしの長い老ねた酒母と糖化力の強い麹を使った場合などに起こりやすい。高泡末期から品温の上昇が急激となってアルコールの出方は多く、粕は少なくなり、味は濃いが酸と着色が大きく酒質の荒い酒となる。 |
前緩後緩型 | 醪の発酵型式の一つ。発酵が弱く、蒸米は溶けるがブドウ糖にまで糖化されにくい場合にこの型となる。例えば、枯らしが過ぎて死滅酵母の多い酒母を使ったときや、バカ破精ないしは飯麹の多い湿気た麹を使用し蒸米が軟らかくて溶け過ぎの時に多くみられる。アルコールの出方は少なく、甘ダレで、色もつき酒質は良くない。酒化率も悪くなる。 |
前急後緩型 | 醪の発酵型式の一つ。若い酒母と若い麹を使ったときのように醪の初期の発酵は旺盛であるが糖化が伴わないために発酵が持続せず途中から発酵力が弱まり品温も下がって後半のボーメの切れが鈍くなる場合と意識的に醪後半の温度を下げて緩やかに発酵させる場合がある。前者の場合は幾分イラ湧き気味で苦みが出ることが多く、一般に薄い酒質となり粕も多くなる。後者の場合は、キメの細かい味のきれいな酒質に期待できるが粕は多くなりやすい。 |
前急後急型 | 醪の発酵型式の一つ。若い酒母と硬い麹を使い、蒸米が硬い場合、精米歩合が高い場合にこの型になりやく湧き進み傾向で、酒質は苦味があり、薄辛く、粕が多くなりがちであるこの場合低温経過をとれば、蒸米が硬くても前急後急にはならず淡麗で酸の少ない酒となる。但し、味薄で粕の多いことは変わりない。 |
洗米 | 白米の表面に付着している糠を取り除くために、水で洗うこと。洗米機による方法、水輸送による方法及び手洗いによる方法がある。 |
選米 | 玄米の段階で行う方法と、白米にしてから行う方法がある。選米することにより、無効精米歩合を低くし、酒造りに不良な異物を取り除くこととなる。 |
選米機 | 選米する機械。 |
千粒重 | 千粒の米の重量。 |
増醸酒 | 醪にアルコールに糖類、有機酸及びグルタミン酸ナトリウム等を混合した液を加えた酒。 |
増醸率 | 原料白米の23%以内のもの。 |
総米 | 醪1仕込に使用する白米総重量のことで、仕込総米ともいう。四段掛けをする場合は四段用の白米も含み、留添までの白米総重量を三段総米ともいう。 |
総破精 | 破精廻りが蒸米の表面全体に行き渡り破精込みが深くて、糖化力、蛋白分解力の強い麹を総破精麹という。酒母麹などに適している。 |
総量規制 | 東京湾、伊勢湾、瀬戸内海は指定水域とされ、これらの指定地域内にある特定施設を有する事業場のうち1日の平均排水量が50トン以上の場合にかかる規制で、汚濁物質の絶対量を規制する。 |
添 | 初添、添仕込のこと。 |
速醸系酒母 | 生もと系酒母が、酒母中に乳酸菌を増殖させて乳酸をつくらせるのに対して、乳酸を添加してつくる系統の酒母をいう。普通速醸酒母、高温糖化酒母、希薄酒母、ウルトラセブン酒母などがある。 |
速醸酒母 | 水麹時に乳酸を添加し、同時に培養酵母を加え、まず糖化を進め、次に膨れ・湧付きに導く造り方をする酒母。仕込から膨れまでの標準日数は7日前後。 |